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労働新聞|2024年11月11日

疲労重なり注意力が低下 トラック重大事故の要因を分析 自動車事故調査委

山形県で中型トラックがバスに追突、2人死傷。ドライバー疲労が原因。
疲労重なり注意力が低下 トラック重大事故の要因を分析 自動車事故調査委
事業用自動車事故調査委員会(酒井一博委員長)は、令和3年に山形県内で発生した中型トラックによる重大事故に関する事故調査報告書をまとめた。事故は令和3年10月18日午後、東根市内の国道を走行中の中型トラックが停車中の乗合バスに追突し、バスの乗客2人が死傷、運転者2人が軽傷を負ったもの。トラックドライバーは疲労に伴い意識レベルが低下した状態を繰り返しながら休憩場所を探して運転しており、進路前方への注意力が低下していたと分析している。「トラックドライバーの長時間労働への対策の遅れ」があるとし、配送先での荷下ろしをドライバー1人で行っていたほか、配送時間に追われて休憩なしで運転を継続するなど、事業者の不適切な管理により運転者の負担が増加していた点を挙げた。「トラック運送事業者と荷主とが連携して荷待ち時間の削減や荷役作業の効率化など実効性のある取り組みの実施が急務」とまとめている。
調査は、2014年から社会的影響の大きな事業用自動車の重大事故について、背景にある組織的・構造的問題のさらなる解明を図り、客観性のある質の高い再発防止策の提言を得る目的で行われた。

コメント・アドバイス

1. **労働基準法違反の可能性**: トラックドライバーが長時間労働を強いられ、休憩なしで運転を続けていた点は、労働基準法における労働時間、休憩、休日に関する規定違反の可能性がある。
2. **労働安全衛生法の遵守**: 労働者の健康を守るための適切な労働環境の提供が求められる。疲労が原因で意識レベルが低下していたとの点は、労働安全衛生法に基づく安全配慮義務違反が考えられる。
3. **事業者の安全管理責任**: 事故調査報告書が事業者の不適切な管理を指摘していることから、事業者には運輸業務の安全管理を徹底する法的責任がある。特に、運転者の健康管理や労働条件の適正化が必要。
4. **再発防止策の必要性**: 事故の再発防止策として、荷主との連携による荷待ち時間の削減や荷役作業の効率化が挙げられている。これは、事業用自動車事故の根本的な原因解消を図るための重要なアプローチである。
5. **適切な休憩の確保**: 運輸業界においては、適切な休憩時間の確保が重要であり、ドライバーの疲労を防ぐためにも法的規制を遵守することが求められる。
6. **被害者への対応**: 事故により死傷者が出ているため、事業者は被害者やその家族への適切な補償や対応を行う法的責任がある。
以上の点から、事業用自動車事故における法的な視点での重要な注意点を挙げることができる。これらの法的規制の遵守と、事業者による適切な管理・対策の実施が重要である。
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