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人事担当者のお悩みごと相談
2025年03月18日

給与の差し押さえ通知が届いたら・・・

賃金

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「債権差押命令」がきた
「債権差押命令」とは、従業員がローン未返済や住民税滞納等をしていることにより、裁判所や市区町村から、勤務先である会社に届く通知。 その通知が届いたと同時に、会社が第三債務者となるため、対象従業員の給与の一部から控除し、債権者へ支払う義務が発生。 特に裁判所からの差し押さえ効力は高く、債権者は支払いに応じなかった会社に対して、取立訴訟手続きが可能とされている。 通知を受け取った日から差し押さえ効力が発生しているため、振込日の直前であっても差し押さえする必要あり。 ※銀行へのファームバンキング等の手続き済み場合でも、組戻しを行い、差押え額を控除したうえで振込をやり直し。万が一、組戻しができない事由が発生した場合は、早急に債権者に対応方法について相談する。
手順
1.従業員への通知 ※従業員本人の了承は不要だが、念のため処理する旨を通知しておく ※従業員から、次月給与からにして欲しい等、本人要望があっても、差押えが優先 ※従業員から「破産手続き中」「債権者と交渉中」と話があった場合でも、会社宛てに取消通知が債権者から届くまで差押えが優先 ※従業員から「破産手続きで免責が確定した」という場合は、裁判所に確認 ※住民税の滞納等は、払い方など役所との相談余地があるため、従業員本人から役所に相談する方法もあり ただし、役所から取り下げ等くるまでは、差押えを行う(裁判所は相談の余地は一切なし) 2.差し押さえ金額の算出 支給額(通勤手当除く)より、法定控除額(所得税・社会保険料・住民税)を控除した後の残額(※1)の4分の1(※2) (※1)残額が44万円を超えている場合・・・残額より33万円を引いた額 (※2)養育費等の義務にかかる債権の場合は、2分の1(この場合の※2の計算は残額が66万円超え) ★住民税による差押えは別途計算方法があるため、通知に基づき計算 3・給与計算 通常どおりの給与計算を行った後、上記2で計算した差押額を引き、残りを本人に振込 ※財形貯蓄、組合費等は、上記2の差押え金額の計算時には控除せず、差押額を引いた後の金額から控除(労使協定があるのが前提) 4.債権者への支払い 債権者からの通知に基づき、差押額を支払う ※債権額に到達するまで、毎月行う必要があるため、一覧にして管理しておくとよい (参考:その他) 債権差押は、労働基準法24条の賃金直接払いの原則には抵触しないものとされているため、「賃金控除の労使協定」は不要 (参考法令) 民事執行法/152条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。 一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権 二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権 2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。 3 債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。 (参考判例) 差押債権取立請求事件(最高裁H18/7/20)
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