- Blog -
人事担当者のお悩みごと相談
2025年03月24日

従業員が自殺したとの一報が入った場合には・・・

その他

#社会保険 #労災認定 #うつ病 #長時間労働 #自殺 #業務起因 #年末調整 #労災 #労災保険 #所得税 #社会保険料 #過重労働 #安全配慮 #雇用保険料 #業務災害

業務に起因したものではないか
過重労働によりうつ病を発症し、そのうつ病と自殺との間に因果関係が認められれば、自殺に業務起因性が認められるようなケースもあり、その場合は労働災害となるため、会社には労災補償義務が生じ、従業員は労災給付の対象となる。 さらに、会社に安全配慮義務違反などが認められれば、従業員の遺族から会社に対し、損害賠償請求がされる可能性もある。(労働契約法5条) ただし、損害賠償の額は労災保険給付との間で調整がなされる。(労働基準法84条) <会社の対応方法> 従業員が自殺したとの一報が入った場合には、まず業務に起因したものでないか(※)確認する必要あり ※業務起因とは・・・過重労働、パワハラ・セクハラ、過度な本人への重圧 等 ⇒実態調査および事実関係の確認を慎重に行う。 推測、想定などは除外して、あくまでも事実確認のための調査を実施。(労働時間データ、関係者へのヒアリング 等) <労災の認定基準> 心理的負荷による精神障害の認定基準について[平23.12.26 基発1226第1] ⇒労災認定(具体的には労災保険給付の不支給決定処分)が訴訟で争われた場合 ⇒会社側の安全配慮義務違反(債務不履行)あるいは注意義務違反(不法行為)を遺族側が損害賠償請求を行う場合(民法415条、709条、労働契約法5条) (参考判例) 九電工事件(福岡地裁H21/12/2) 国・天満労働基準監督署長(CSK・うつ病自殺)事件(大阪高裁H25/3/14) 国・八王子労働基準監督署(東和フードサービス)事件(東京地裁H26/9/17) 三田労働基準監督署長(適応障害発症に業務起因性が認められた者の、自殺についての業務起因性判断)事件(東京地裁平27.12.17判決)
(その他参考)
<死亡時の手続き> ご遺族への負担がかからないように、連絡は出来る限り回数を少なく、かつスピーディな対応を心がける。 <手続き上の注意ポイント> ■死亡日以降の給与計算 ・所得税 ⇒死亡日以降に支給日の到来する給与については、源泉所得税の控除は不要 ※従業員の「給与所得」ではなく、相続税の対象となる「相続財産」とみなされるため ・振込先(支払先) ⇒死亡日以降、従業員の口座が凍結されて、振込ができない可能性あり。 従業員口座への振込が不可の場合は、相続人への振込もしくは現金渡しが必要なため、遺族への確認を行う ・年末調整 ⇒死亡日前までに支払った給与で、年末調整を実施。(控除対象となるものがないか、遺族へ確認要) 還付金は最後の支給日で遺族への支払いで可 ・社会保険料 ⇒死亡日の翌日を喪失日として手続きを行う。 それに基づき、喪失日の前日にかかる月の社保料が発生していれば、控除処理を行う。 ・雇用保険料 ⇒死亡日の翌日を喪失日として処理。 雇用保険料は通常どおりの計算で控除処理を行う。 (その他) 加入している健康保険組合より、埋葬料が支給されるため、遺族に対して手続き方法を案内
UpArrowPAGE TOP

人事労務部門のアウトソーシング及びコンサルテーション

株式会社労務DataBank

〒222-0003 神奈川県横浜市港北区新横浜5-10-2 /
TEL : 090-4864-3356

© 株式会社労務DataBank