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人事担当者のお悩みごと相談
2025年03月19日

宿直/日直の実施には、所轄労働基準監督署長の許可が必要

賃金

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宿直/日直の許可条件とは?
宿直/日直とは、使用者の命令によって一定の場所に拘束され、緊急電話の受理、外来者の対応、盗難の予防などの特殊業務に従事するもの 「宿直」=夜間にわたり宿泊を要するもの、「日直」=勤務内容は宿直と同一ですが、その時間帯が主として昼間であるもの 実施条件は、以下のとおり。 ☑常態としてほとんど労働する必要のない勤務であること ☑所轄労働基準監督署長の許可が必要(労働基準法施行規則第23条)(申請書様式第10号) (参考)宿日直以外の断続的労働として許可を得るもの ex.断続的労働が主としている場合 (労働基準法第41条)(労働基準法施行規則第34条)(申請書様式第14号) ⇒この許可を得ることにより、時間外・休日労働の割増賃金支払いの適用除外となる(労働基準法第32条) 宿日直の許可条件は、過去の通達と照らして労基署において判断 <昭和22/9/13発基第17号、昭和63/3/14基発第150号> ☑常態としてほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限る ☑原則として、通常の労働の継続は許可しない ☑断続労働と通常の労働とが1日の中において混在し、又は日によって反復するような場合には許可しない ☑宿直、日直とも相当の手当の支給、宿直については相当の睡眠設備を条件として許可 ☑宿日直手当の基準は、宿直または日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者の1日の平均額の3分の1を下らないもの <昭和23/2/13基発第33号、昭和63/3/14基発第150号> ☑一定期間における勤務回数が頻繁にわたるものについては許可しない ☑宿直または日直の勤務回数は、宿直勤務については週1回、日直勤務については月1回を限度とする <昭和43/4/9基収第797号> ☑所定の始業もしくは終業時刻の前後に密着して行う短時間の断続的労働は、宿直勤務と解されない 手当の支給額について(特例)・・・ 宿日直については、待機および仮眠時間といっても拘束されているため、賃金の支払いは必須 (上記のとおり、労基署の断続労働の許可があれば、時間外等の割増の支払いは免除) ただし、最低賃金の減額申請を受けることにより、最低賃金以下の設定も可能となる 許可申請書(様式5号) 所得税の非課税について・・・ 基本的に給与にあたり、課税となるが、4,000円(※)までの部分については非課税。 (※宿日直に伴い食事が支給される場合は、4,000円からその価額を控除した残額までが非課税) ただし、次に該当するものは全額課税となる (1) 休日又は夜間の留守番だけを行うために雇用された者及びその場所に居住し、休日又は夜間の留守番をも含めた勤務を行うものとして雇用された者に当該留守番に相当する勤務について支給される宿直料又は日直料 (2) 宿直又は日直の勤務をその者の通常の勤務時間内の勤務として行った者及びこれらの勤務をしたことにより代日休暇が与えられる者に支給される宿直料又は日直料 (3) 宿直又は日直の勤務をする者の通常の給与等の額に比例した金額又は当該給与等の額に比例した金額に近似するように当該給与等の額の階級区分等に応じて定められた金額(以下この項においてこれらの金額を「給与比例額」という。)により支給される宿直料又は日直料(当該宿直料又は日直料が給与比例額とそれ以外の金額との合計額により支給されるものである場合には、給与比例額の部分に限る。) 【注意ポイント】 上記のとおり、申請を行い、労基署の許可を得ていたとしても、実態が異なっていた場合、当然、通常どおりの労働として扱われ、最低賃金を上回る労働の対価に応じた賃金およびそれに伴った割増賃金の支払いが求められる
【その他 参考】
<最低賃金の減額特例の対象> 最低賃金は、原則として雇用形態や呼称の如何を問わず事業場で働くすべての労働者に適用されます。 ただし、一般の労働者と比較して、労働能力が著しく劣るため最低賃金を一律に適用すると、かえって雇用機会をせばめる可能性がある労働者の場合や労働の態様が大きく異なる場合には、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として最低賃金の適用除外が認められていました。しかし、改正最低賃金法が施行された平成20年7月1日からは、適用除外制度は廃止され、新たに減額特例制度が設けられることとなりました。もちろん、労基署への申請は必要となります。 次の1~4については、特例対象となります。 1.精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者 2.試の使用期間中の者 3.職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定のもの 4.①軽易な業務に従事する者 ②断続的労働に従事する者 <関係法令> 医療法/第16条 医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない。但し、病院に勤務する医師が、その病院に隣接した場所に居住する場合において、病院所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。 <参考判例> ★奈良県(医師時間外手当)事件(奈良地裁H21/4/22) 時間外又は休日労働の割増賃金支払義務に関する労働基準法37条の規定は、監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が労働基準監督署長の許可を受けた者については、適用しないこととされているが(同法41条3号)、同法41条3号にいわゆる「断続的労働」に該当する宿日直勤務とは、正規の勤務時間外又は休日における勤務の一態様であり、本来業務を処理するためのものではなく、構内巡視、文書・電話の収受又は非常事態に備えて待機するもの等であって、常態としてほとんど労働する必要がない勤務をいうものと解される。 ★大星ビル管理事件(最高裁H14/2/28) 本件仮眠時間は労基法上の労働時間に当たるというべきであるが、労基法上の労働時間であるからといって、当然に労働契約所定の賃金請求権が発生するものではなく、当該労働契約において仮眠時間に対していかなる賃金を支払うものと合意されているかによって定まるものである。
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